女性が望まない妊娠をし、産まれたばかりの新生児を遺棄する事案が後を絶ちません。
以前は「なんて無責任な」と思っていましたが、私自身が妊娠・出産をしてみると、約10か月間の心身ともに大変な妊娠期間を過ごし、あの壮絶な出産を一人で乗り越えるなんて、どんなに大変だったろうという思いに至るようになりました。
乳幼児遺棄は犯罪行為であり、当然罪を償わなければなりませんが、そうなる前にどうにか救えなかっただろうか、自分に何かできなかっただろうかと胸が痛みます。
同時に、女性が処罰されるのなら、父親となる男性にも責任を持たせることが必要だと感じていますし、適切な性教育や環境整備も欠かせません。
そのような折、身分を明かさずかな出産をすることができるいわゆる「内密出産」の取り組みを知りました。
そこで、私は令和4年2月定例会で会派を通じて「『内密出産』に伴う諸課題に対する法整備を国に求める意見書」を提出しました。
概要は、新生児遺棄の現状、熊本県の慈恵病院の取組み、熊本地方法務局及び熊本市の対応を紹介したうえで、内密出産をする女性や子どもの保護、子どもの出自を知る権利の保護等、諸外国の取組みも参考にして、国に法整備をすることを求めるものです。
ただ、残念ながら他会派の賛同を得られず、可決とはなりませんでした。
しかしながら、後を絶たない新生児遺棄が続く以上、目の前の救わなければならない母子に何らかの救済措置が必要だと考えています。
引き続きこの問題にも注視して参りたいと思います。