市内の方より、「子どもの頃からの難聴が進行し、現在では補聴器を付けていてもほとんど聞こえない。昨年、市の手話講習会(入門・初級コース)を修了したが、これらは手話通訳者養成のための講習であり、中級以降は音を聞いて表現することが求められるため、難聴当事者が受講することは困難。通訳者を目指すわけではなく、日常生活に必要な手話を学びたい。埼玉県に確認したところ、『県では財政的な理由から手話講習会は初級コースまで』という回答をもらったが、自分のような中途失聴・難聴者に向けた手話講習会を埼玉県では行ってもらえないか」というご相談をいただきました。
これは複雑な制度であるため、改めて関係機関にヒアリングを行いました。
その結果、埼玉県に確認したところ、
・県内の手話講習会について、財政的な事情により初級コースまでとなっている。
・その他の取り組みとして「埼玉県難聴者・中途失聴者協会」では県主催の手話講習会を行っている。
とのことでした。
その後、埼玉県難聴者・中途失聴者協会に確認したところ、
・県が社会福祉法人埼玉県聴覚障害者福祉会に委託している事業として「埼玉県難聴・中途失聴者手話講習会」を毎年実施している(初級コースまで)。
・上記に加え、引き続き手話を学べる場所を提供する目的で、中級程度の手話勉強会及び入門・基礎編として指文字を使用した手話勉強会をそれぞれ毎月開催している。
とのことでした。
そうすると、手話通訳者を目指すわけではない、難聴・中途失聴の当事者の方が手話を学ぶ機会は非常に限られていることがわかりました。
自治体の財政的な事情により、手話を学ぶ機会が失われているという現状は非常に重要な問題だと感じています。
今後、機会をとらえて議会に訴えていきたいと考えています。