Q 金野桃子 議員 (県民)
日本語支援員とは、文部科学省の「帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業」を活用し、日本語支援が必要な生徒に対して教科指導のサポート等を行う方で、令和7年4月現在、県内高校49校に55人の方が従事しているとのことです。
県内在住の応募者からは、履歴書や職務経歴書、日本語の指導実績等を提出後、教育委員会からは受領の連絡はなく、数か月後に条件確認の電話があったものの、最終的な採用の可否等一切連絡がなかったと伺いました。また、日本語支援員は会計年度任用職員等ではなく、報酬が発生するため有償にはなりますが、あくまで「ボランティア」という扱いとのことです。
確かにボランティアであれば柔軟な対応等が可能ですが、ボランティアだからと言って、応募してくださった方への対応が曖昧でよい理由にはなりません。外国にルーツを持つ子どもへの支援の重要性を考えれば、より安定した処遇の検討が求められます。そこで、①採用過程の透明化及び有償ボランティアからより安定した処遇への改善についてどう考えるか、②帰国・外国人児童生徒等が質の高い教育をどこでも受けられるよう、教材の共有や支援員研修の充実等、指導内容の統一と向上を図る必要があると考えますが、あわせて教育長にお伺いいたします。
A 教育長
まず、採用過程の透明化についてでございます。
県では、応募者に対して、年度当初から配置を決定した場合には、4月上旬までに連絡するとしており、その旨を募集要項に記載しております。
また、当該年度の途中で、新たに支援員が必要になった場合に、配置されていない方に希望を確認する可能性があるため、配置がない旨の連絡はしておりませんでした。
一方、応募いただいた方に不安を与えないよう、応募書類の受領連絡や採否結果の通知などを行い、丁寧に対応することは重要と考えております。
今後は、応募から採否決定までの過程を募集要項に分かりやすく記載するとともに、書類を受領した際や選考結果について、応募者に連絡するなど、より丁寧な対応に努めてまいります。
次に、有償ボランティアから、より安定した処遇への改善についてどう考えるかについてでございます。
外国にルーツを持つ子供に対する支援の重要性は高まっていることから、現在の仕組みは、日本語指導の資格や経験を持つ、より多くの方に応募していただくことを目指しております。
すでに有償ボランティアとして活動されている支援員の方からは、「本業と両立しやすく、無理なく参加できる」、「参加に当たり心理的な負担が少ない」といった意見も頂いております。
例年、配置予定人数を上回る約80人の日本語指導の資格や、経験を持つ方から御応募いただき、現在は支援員を求める全ての県立高校に配置できている状況です。
県では、現時点において、処遇を変更する予定はございませんが、今後、日本語支援員を必要とする生徒の増加や多様化が見込まれることから、生徒の実態や、学校現場のニーズに即したより望ましい日本語支援員の職の在り方について、他県の事例等も収集しながら、研究してまいります。
次に、指導内容の統一と向上についてでございます。
議員お話の、どの学校でも質の高い日本語支援を受けられるようにすることは重要と考えております。
県では、支援員を配置している学校の管理職、教員及び支援員が参加する連絡協議会を年2回開催し、各校の取組や課題の共有を図っております。
一方、支援員からは、支援員同士の更なる交流や学び合いの場の設置を求める声もございます。
今後は、こうした要望も踏まえ、例えば、支援員同士が教材や実践事例を共有することができる交流の機会や、学校や生徒の実態に即した支援に有効な研修等の実施について、積極的に検討してまいります。