午後は、川越市にある川越少年刑務所にお伺いしました。
埼玉県の刑法犯認知件数は年々減少傾向にあり、令和6年は約52,000件で、最も多かった平成16年から約72%減少しています。その一方で、令和4年における再犯者の割合は49.0%であり、約半数が再犯者という状況にあります。
川越少年刑務所は明治4年に幼年囚のと収用を開始し、我が国初の幼年囚の特設監だそうです。
同所では、拘禁刑の施行に先立ち、令和4年度から若年受刑者ユニット型処遇などの教育的処遇を実施しており、社会生活に適応する能力の育成に努めています。
拘禁刑は、再犯率が高止まりしている現状を受け、懲らしめの意味合いの刑務作業から、社会復帰に向けた立ち直りへの処遇にシフトするため、令和7年度より全国の刑務所で実施されています。
若年受刑者ユニット型処遇では、他の受刑者から独立した居室棟・工場において、おおむね 30 名以下の小集団(ユニット)に少年院の矯正教育の知見等を活用し、拘禁刑の創設も見据えて、令和4年度から職員と対象者との信頼関係に基づく「対話ベース・モデル」を実施してきました。
同所には、主に 26 歳までの犯罪傾向が進んでいない男子受刑者が収容されており、各々に合った作業や指導を実施し、また、毎年 11 月頃に行われる川越矯正展など、社会とつながる取組も行われています。
今年度から施行された拘禁刑に先駆けた同所の取組みを視察させていただきました。
視察では、施設内での生活・作業の一部を拝見しました。
現地は携帯電話など通信機器の持ち込みが禁止されており撮影はできませんでしたが、若い受刑者の皆さんが、床屋の実習、パソコン技能、溶接など、社会復帰を見据えた訓練に真剣に取り組む姿が印象的でした。
「こんなに素直で、良い子たちに見えるのに」というのが率直な思いであり、もし育ってきた環境が違っていれば、と胸が痛む場面もありました。
同時に、その背景には被害に遭われた方々の存在があり、複雑な気持ちがこみ上げる視察でもありました。
再犯防止と社会復帰の両立は、地域社会の安全を守るうえで欠かせない取り組みです。
本日の視察で得た学びを、今後に活かしてまいります。
川越少年刑務所の皆さま、本日はありがとうございました。



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