[会派視察]静岡県ー行政改革について


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〇静岡県-行政改革について

静岡県では、高度経済成長・中央集権化という流れのなかで行われた「節約型」の行政改革から、低成長・地方分権という新たな流れの中で「行政の生産性向上」、すなわち行政サービスの質と効率性を持続的に向上させることを目的とした行政改革を目指しています。

県民と県が協働して社会全体で達成を目指す成果を明らかにし、その実現のためにPDCAサイクル・マネジメントによる持続的な改善を行う目的指向型の行政経営システムの構築に取り組んでいます。その中でも重要な役割を担うのが「施策展開表」を用いた作戦体系(ロジックモデル)です。

「施策展開表」とは、「施策の目的を達成するために、当該年度に行う作戦体系を見える化したもの」と定義され、PDCAサイクルを回すための重要なツールです。「ロジックモデル」とは、すべての業務を「目的」と「手段」との関係で整理したものであり「総合計画」を最上位とし、小分類まで樹木構造で整理されます。ここでのポイントは「目的」は「アウトプット(活動の結果)」ではなく、「アウトカム(県民への波及)」を判断する点にあり、ロジックモデルの論理性を高め、目的達成のために成果と課題、改善の方向性を絶えず評価することが肝要。ロジックモデルを構築することにより、意欲向上、改善意識向上、効率性向上、効果性向上、透明性向上など効果が期待されます。

そして、ロジックモデルを構築したのちに重要なことは、施策(手段)が目的実現のためにどのような成果を及ぼしたかを「評価」すること、すなわち成果と課題、改善の方向性を検討すること。この「評価」は大変難しく、公の情報として提出する以上、現状のありのままを書きたくないという担当課のためらいがあることは否定できず、いかに改善に向けたありのままの現状を書くかが難しいそうです。

このような取組みの成果として、「ひとり1改革運動」(平成10年度開始)の成果が出ているそうです。「ひとり1改革運動」とは、職員一人ひとりが衣鉢的に身近な業務の見直しを行うもので、毎年1万4000件以上の取組みがあり、優秀事例として「右折レーン方式を開店道路方式に思い切ってかえる案」や「全国初!介護マークの作製」「“ふじのくに”士民協働事業レビュー」である。以前は、職員が改善をしようとする際、上司から「なんで変えるの?」と言われていたものが、今では「なんで変えないの?」と言われるようになったというように、この15年以上の日々の取組みで、組織全体の志向が変わっているように感じました。

更にこれらの取組みによる生産性向上の成果として、新規・拡充事業のための財源が平成22年から25年度までの4年間で約649億円を捻出され、また、平成10年から25年度までの10年間で一般行政部門職員を1458人(約20%)削減され、同規模県と比較し職員数が最小になったそうです。

このような取組みを伺い、県全体のダイナミックな思考転換を行うには、トップの知事の力が大きいと感じました。また、担当課の方が、行政改革を見直し、試行錯誤を繰り返すたゆまぬ努力を続けていることが、一歩一歩前進していると感じました。

特に「自治体も生きものと同じで、強いものが生き残るのではなく、“変化に強いもの”が生き残るのだ」という言葉が印象的でした。本市でも行っている事業評価などについて、施策展開表のロジックモデルを参考にし、本市の行政改革の取組みをさらに進めていきたいと思います。

 

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