〈文教・建設常任委員会〉行政視察ー山口県下関市


今日は、山口県下関市にお伺いしました。
視察テーマは、同じく「コミュニティスクールの取組みについて」です。

山口県下関市は、人口約26万6000人、面積約716㎢で、関門海峡に面し、壇之浦の戦いや高杉晋作等歴史の町でもあります。
平成17年に中核市(山口県初)となり、より大きな責任の下で、より身近な基礎自治体として特性を生かしたまちづくりに取り組んでいます。
2日目の朝に早起きして出発時間まで近くを散歩しましたが、町中至る所に歴史や観光名所が溢れていました。港のある街には港町ならではの政策があり、全国様々な街の魅力を知ることは視察の醍醐味ですね。

山口県は県内すべでの公立小中学校がコミュニケーションに指定されており、全国第1位の実績です。
下関市では、平成23年度に推進構想が策定され、平成24年度にコミュニティスクール元年とし、平成30年度はコミュニティスクール充実の都市となっています。小学校全49校、中学校全22校ありますが、すべてコミュニティスクールに指定されています。
予算額は、コーディネーター謝礼等、総額約1100万円(平成30年度)です。下関市レベルの規模でも、学校運営協議会委員を無報酬とすることで、この予算額で実施していることに驚きました。

下関市のコミュニティスクールの具体的な取り組みには4つの柱があり、①学校運営協議会の機能向上、②学校応援団の組織化、③小中学校の連携、④コーディネーターの活動促進があります。
①学校運営協議会の機能向上として、まず校長の示す学校運営方針の承認等がありますが、任期は1年間で無報酬です。全員に報酬を渡すと総額1000万円かかるそうですが、これを無報酬として金銭以外の部分でやりがいを感じていただいているようです。
ここでポイントとなるのが熟慮と議論を重ねながら対話する、いわゆる「熟議」であり、挨拶をしっかりする子どもの育成等について、忌憚なく意見を交わす場となっているそうです。
②学校応援団の組織化として、学習支援、環境支援、安全支援とし、地域住民を対象とした教養講座を開いたり、地域住民や保護者がちょっと立ち寄る縁側等をもけているそうです。
③小中学校の連携として、地域連携教育アドバイザーやコーディネーターを置いたり、小中学校の合同避難訓練を行ったりしているそうです。
④コーディネーターの活動促進として、小中学校と地域をつなげ、コーディネーターの手作り新聞を作るなどして学校への理解や人と人とのつながりを深めているそうです。

これらの取組みの成果として、子どもにとって多様な活動を体験して自分を表現できるようになり、学校にとって地域の理解と協力を得た学校運営ができるようになり、家庭にとって学校や地域に対する理解が深まるようになり、地域にとって経験を生かすことで生きがいや地域のよりどころになるという魅力があるとのことです。
今後の課題としては、子どもが地域を意識する仕掛け、地域の方々が学校に集まる仕掛けづくり、子どもの成長・変化や家庭・地域へのコミュニティスクールの周知等に係る情報発信の工夫、各学校への継続的な支援が挙げられていました。

質疑応答では、種々様々な意見交換ができましたが、私からは前日の春日市同様、コミュニティスクールを導入してからのデメリットやトラブルはなかったかお伺いしましたが、春日市同様そのようなことはなかったとのことでした。
また下関市全体での教育政策の中での位置づけをお伺いしたら、コミュニティスクールは教育政策全体の中の大きな柱であり、当事者意識、参画意識を醸成し全体の教育の基盤となる趣旨のお話をいただきました。

今回の視察を通して、下関市のように比較的大きい自治体において、市内全小中学校においてコミュニティスクールを導入し、大きなトラブルもなく成果を実感しているというお話を伺えて大変勉強になりました。
戸田市においては今年度から始まったばかりではありますが、全国には大きな成果を出している先進例が多くあることを知り、期待感と責任感を感じました。
同時に、両市で見た取り組みはすでに戸田市でも行われているものが多く(地域の方が学校運営、教育に参画する取組み)、それらを学校運営協議会という組織に体系立ち、ともに議論し協働する中で必ずや戸田市版コミュニティスクールが花開くと実感することもできました。

下関市の皆さん、本日はお忙しい中、行政視察をお引き受けいただき、誠にありがとうございました。