Q 金野桃子 議員(県民)
トイレにおけるベビーキープ・ベビーチェアとは、トイレの中で子供を座らせる椅子で、子育て当事者にとっては必須なのですが、とても困ったことがあります。
こちらの写真を御覧ください。私が、一歳になる長男を連れて県内の公共施設のトイレに入ったときの実際の様子です。子育て当事者からすると、とても恐ろしい写真なのですが、皆様、何が恐ろしいかお分かりになりますか。
そうです。このベビーキープ・ベビーチェアに子供を座らせると、手が伸びてトイレの鍵を開けてしまうのです。実際に私も何度も鍵を開けられていますし、明けられているほかのママを見たこともあります。これまで私が利用した限りで、二重ロックがあったトイレは1つもありません。
小さなことですので、一般質問に取り上げるか悩みましたが、当事者にとっては非常に大きいことですし、この実態を訴えることで、行政だけではなく、社会、そして民間にも広く施設管理者の方々に二重ロックを進めていただきたいと願い、あえて一般質問に取り上げさせていただきました。今後、トイレにおけるベビーキープ・ベビーチェアの設置を進め、その際、併せてトイレの二重ロックを進められないか、福祉部長にお伺いいたします。
また、まずは県庁自身から率先して二重ロックを設置していただけないか、総務部長にお伺いいたします。
A 金子直史 福祉部長
県では、ベビーチェア等の設置を促進するため、「埼玉県建築物バリアフリー条例」及び「埼玉県福祉のまちづくり条例施行規則」におきまして、一定の規模を超える建築物のトイレにつきましては、ベビーチェア等を設けることとしております。
議員お話しの二重ロックにつきましては、乳幼児がカギを開けてしまうことを防ぐため、高速道路のサービスエリアなど一部の施設において、通常の位置に加え、乳幼児の手が届かない高い位置にもカギを設置している例を確認いたしました。
今回、そうした不安を抱いている方がいらっしゃるという認識を新たにしたところでございます。
二重ロックの設置につきましては、現在、施設管理者の判断で設置をされております。
ベビーチェア等の設置に合わせて二重ロックの設置を推奨することについては、施設管理者の費用負担を伴うため、県といたしましては、まず、学識経験者や建築士、企業などで構成する埼玉県福祉のまちづくり推進協議会に推奨に向けて意見を伺ってまいります。
A 三須康男 総務部長
県では、車いすを御利用される方の駐車場や段差の無い出入口などを整備するなど、年齢や性別、障害の有無などを問わず誰もが利用しやすい県庁舎となるよう努めております。
確認したところ、現在、県庁全体のトイレのうち、65か所にベビーチェアが設置されており、お子様の手が鍵に届かない位置にあるトイレもございました。
一方、議員ご指摘の手が鍵に届いてしまう位置にあるベビーチェアは、20か所あり、いずれも二重ロックは付いておりません。
議員のお話をお伺いし、トイレの鍵が内側から不意に開けられることなく、安心して利用できるようにすることは、改めて大事なことだと認識いたしました。
まずは、来庁される方の多い一階のトイレから優先的に二重ロックを設置し、さらに利用しやすい県庁舎となるよう対応してまいります。