今日の東大H-PACは「政策評価の理論と実践」でした。
「政策評価」という言葉を聞きなれないかもしれませんが、たとえば企業の場合は「新商品を企画立案して、販売し、売り上げを分析して、改善したものを販売し・・・」ということを行うと思いますが、それと同じことを「公共政策」でも行おうという取り組みです。
「効果がわかりにく公共政策も、やりっぱなしにせず改善を重ねて良くしていこう!」ということです。
各過程の頭文字をとって、「PDCAサイクル」と呼ばれます。
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1 政策の企画立案―Plan
2 政策の実施―Do
3 政策の分析・評価―Check
4 企画立案への反映―Action
ここで問題になるのが、「何をもって”効果”」があったとするか、という話です。
今までは、行った政策の”結果”をもって効果を判断しようとしていましたが、最近では”成果”をもって効果を判断しようという流れになっています。
”結果”と”効果”は何が違うかというと、
”結果”とは、投入した活動(Imput)がそのまま出たもの(Output)
”成果”とは、それにより社会状況が改善すること(Outcome)
具体例を挙げると、
政策:就職率アップ計画
活動:会場をおさえて、広報活動をし、講師を呼んでセミナーを行う
結果:来場者1000人
成果:就職率が50%→70%へアップ、その結果市民の所得がアップ
つまり、今までは「セミナーを行った」ことに対して、「1000人集まった」ことを「いい結果が出た!やった!」としていたものを、1000人集まった結果「就職率が20%もアップして、その結果市民の所得がアップした」ことをその政策の評価とするというものです。
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以上の講座に対して、受講生からは、
Q 当初予定していなかったマイナス効果(副作用)については、どう評価するのか?
A 事前に効果の類型を考える、第三者評価を組み入れる。
Q ハード面でのOutcomeは評価しやすいが、ソフト面(例えばQOL)でのOutcomeはどう評価するのか?
A 満足する理由をプロセスに添って個別化・体系化する。
Q 最終目的に対して複数のアプローチがあるが、各アプローチの最終目的への貢献度はどのように判断するのか?
A それぞれの経路を整理し、各ロジックモデルの進捗具合を把握する。
など質疑応答で盛り上がりました。
<参考>
〇総務省HP
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/000065209.html