今日は県南都市問題協議会の都市計画・交通問題研究部会の視察で北本市の「デマンドバス」について学んできました。
北本市は県の中央よりやや東南あたりに位置し、人口約68000人、面積約19平方キロメートルの町です。
戸田市と同じくらいの広さで、戸田市の半分くらいの人口という感じですね。
北本市では、これまで市長マニフェストでもあったコミュニティバスの導入が検討される中で、議会一般質問を一つのきっかけにデマンド式バス(オンデマンド=要求に応じた)の運行が検討されることとなりました。
実証実験を経て平成23年度より本運行が開始され、その後、会議や協議会を重ねて現在に至っているそうです。
利用できるのは北本市に在住在勤の方で、運行地域は北本市内、年中無休で8時半~17時半まで運行しています。
電話予約ができ、運賃は300円/1回(小学生、各種手帳、要介護者は半額)だそうです。
利用者は70代80代の女性が多く、最近では小学生の利用も増えてきたそうです。
気になる利用実績・経費は・・・
利用者数は毎年約20000人、運行経費は約2500万円~3000万円程で、そのうち約450万円が運賃収入となり、その差額(毎年約2500万円前後)を委託料として市が負担しているとのことです。
今後の課題としては、予約の取りづらさ(特に帰り道)や使うかもしれない予約があること等だそうです。
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〈考察〉
コミュニティバスは近年全国の自治体でパッと広まりましたが、開始から年数が経過すると、多くの自治体(特に地方都市)で毎年の公費負担が大きくなり、デマンド式に移行するところも増えてきているようです。
戸田市でのtocoバスは事業全体の費用が1億円強で、そのうち2,3割が運賃収入で賄い、それ以外の約1億円が公金負担だと聞いており、それに対して、今日の北本市では戸田市と同じくらいの広さの県内都市で約3000万円(全体としては、路線バスへの助成金約1800万円と合わせて計5000万円で公共交通を運営しています)でデマンドタクシーが運行できるということに驚きました。
戸田市でもこのまま毎年約1億円を使ってコミュニティバスを走らせるのか、今後はデマンド式バスの検討も始めなければならないと感じました。