福岡県嘉麻市は、福岡県中央部に位置し、人口が約39000人、面積が約135㎢、そのうち約70%が森林と耕作地という市です。
明治末期から昭和初期にかけて炭鉱の町として栄えたものの、昭和40年のガス爆発によりすべての炭鉱が閉山したそうです。将棋で有名な加藤一二三さんのご出身地だそうです。
一般会計が約246億円で、議会定数は18人(平均年齢約65歳)です。
元市議会議員の方が市長(1期目)を務められています。
〇福岡県嘉麻市
http://www.city.kama.lg.jp/
嘉麻市では、これまで平成25年10月に神奈川県逗子市、埼玉県飯能市を視察するなかで、タブレットを活用した議会のICT化を進め、議会内での協議を重ね、平成26年6月議会で補正予算を組み、同年9月議会から紙資料とタブレット資料の併用運用を開始し、今年27年5月より紙資料を廃止してタブレット資料によるペーパーレス化を本格稼働させました。
費用は、初期費用が86400円、月額費用が91800円/月(10GB)等、議員・職員(管理職)をあわせた約70台の総額で約446万円がかかったということです。
他方、削減効果としては、紙は25万9000枚、費用は約244万円削減できたそうです。また、これ以外に、数字には表れていないものの職員の方の印刷や資料配布等にかかる労力・手間が大幅削減され、大きな効果を感じているということです。
嘉麻市で取り入れているシステムは、先日戸田市議会でも研修会を行ったシステムで、実際に使っている様子をお聞きでき、とてもわかりやすかったです。
〇議会改革特別委員会ー文書共有システムセミナー
https://konnomomoko.com/activity-report/assembly/13805/
〇サイドブックス
https://sidebooks.jp/
予算書・決算書という分厚い資料はもちろん、毎回配られる分厚い会議録、行政が事業ごとに作成している各種事業計画等がすべてタブレットで見ることができます。また、それらの内容を一括して検索できるのがいいですね。市民相談や一般質問等の質が向上しそうです。
各種事業計画は本当に量が多くて、1期生当時私も一般質問で市全体で一覧で管理すべきと議会で取り上げたことがあります。
それによって一覧管理がされたものがこちら→
http://www.city.toda.saitama.jp/life/7/58/247/
嘉麻市議会は平均年齢が65歳(最高齢は70代)という決して若い議会ではないのですが、それでも皆さんタブレットを使いこなしていて、議会で使う資料はほぼすべてペーパーレス化したというから驚きました。
ご挨拶をしてくださった議長もタブレットを使いこなしていらっしゃいました。
以前、議会内で「予算書・決算書は紙媒体でもらえないか」という意見も出たそうですが、多数が「ペーパーレス化を進めているからには、逆行することはしない」と却下されたと聞いて、本当に驚きました(私個人的には、予算書・決算書は紙媒体が使いやすいと考えています)。
議会のペーパーレス化を進めていた議会運営員会のメンバーだった議員の方がその後市長に当選されたのが大きな推進力になったようです。市長の力は大きいですね。
タブレット化については、やはり多額の費用がかかることは事実ですので、費用対効果をしっかりと見極めて検討していきたいと思います。
嘉麻市の皆さん、視察を受け入れてくださり、どうもありがとうございました!