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無所属県民会議
埼玉県議会

[平成29年9月議会]一般質問②ー特別支援教育について

2件目は特別支援教育です。
発達に不安を抱えるお子さんを育てるお母さんからの1通のメールがきっかけとなり、その後同じような不安を持つお母さん方と何度か意見交換会を開催しながら意見を取りまとめたものです。意見交換会に来られない方からはお手紙も頂きました。どのご意見も不安や希望があり、胸を締め付けられるような思いでした。
特別支援教育では立場によって考え方も異なる部分が多く、ご意見をくださった皆さんや教育委員会の皆さん、福祉部局や子ども部局の職員の皆さんと何度も話し合い、最大公約数を求めて質問を練りました。

[提案内容]
(1)現状について
こんのQ 戸田市の特別支援教育の現状は。
教育部長A 第3次戸田市教育振興計画に特別支援教育を位置づけ、特別支援学級の計画的配置等、特別支援教育を推進している。知的障害特別支援学級は小学校7校、中学校4校、自閉症・情緒障害特別支援学級は小学校6校、中学校3校。通級指導教室は発達障害・情緒障害通級指導教室が小学校2校、難聴・言語障害通級指導教室は小学校2校。指導体制は、1学級当たり特別支援学級は8名、特別支援学校は6名。就学先決定は、学校教育法により市町村教育委員会が指定しており、戸田市でも戸田市就学支援委員会により適切に判断している。

こんのQ 現在すべての小中学校に特別支援学級ないし通級指導教室があるわけではない。需要に応じた今後の拡大は。
教育部長A 特別支援を要する児童生徒の在籍状況等を踏まえ、3~4年先まで市全体の状況を見通しながら検討している。小中学校の特別支援学級の設置率は、平成22年度は44.4%、今年度は61.6%と積極的かつ計画的設置により急速に上昇。今後平成33年度に83.3%を見込む。

こんのQ 今後需要に応じた拡大を要望する。ただ、現在すべての小中学校に設置されているわけではない。保護者の中には23区で取り入れられているような学校選択制を望む声もある。戸田市における特別支援学級への学級選択制の導入についての考えは。
教育部長A 本市の小中学校は住所により通学区域が定められている。小学校では主に児童の通学時における安全確保が難しい他、地域の子どもは地域で育てることを基本的な考え方として重視しており、特別支援学級を含め小学校の学校選択制を導入する予定はない。

こんのQ 市の考えは理解するが、保護者の中には学校選択制を望む声があるのも事実だ。私自身、学校選択制に対する考え方が定まっているわけではないが、全国では学校選択制を取り入れている自治体もある。ぜひ一度調査検討してみてはどうか。
教育部長A 現在、制度を変えるのは難しい面もあるが、今後の研究課題としたい。

こんのQ 就学先決定の流れはどのようなものか。差し支えない範囲で明らかにできないか。また、行動観察の場において、他自治体では子どもたちにとって慣れた環境で実施する例もあるという。戸田市でも行えないか。
教育部長A 学校保健安全法に基づき、すべての入学予定児童が就学児健康診断での簡易知能検査等を受け、再検査の必要がある場合は行動観察等を行い、個別相談会での様子等をもとに医師等専門家からなる戸田市就学支援委員会で適切に判断している。具体的な検査種類は結果に影響を及ぼす恐れがあり、答弁は控える。また、対象児の数が多く、直接出向き全員の子どもを観察することは体制上不可能である。行動観察は大勢の集団の中でどのように仲間と関わっているかを見るものでもある。なお、その際は児童がリラックスした状況になるよう努めている。

(2)授業のユニバーサルデザイン化について
こんのQ お母さん方からの意見交換会やアンケートでは「口頭指示に弱い」「いつ終わるか、次は何をするのかわからないと集中力が続かない」等のご意見が多かった。これらの不安に対しどのような工夫をすればよいのか私なりに考えた結果が、授業のユニバーサルデザイン化の推進だ。戸田市の取組みを伺う。
教育部長A 授業のユニバーサルデザイン化は、教員対象の研修会を通して理解を深め、市内全小中学校に広まるよう取り組んでいる。また、毎年の学校訪問で教育委員会指導主事が具体的な指導を行っている。

こんのQ ユニバーサルデザイン化は非常に大切な取組だと思う。更に取組みを推進するとともに、第3次戸田市教育振興計画に記載されている取組み概要やさいたま市の「ユニバーサルデザインの考えを取り入れた授業づくりガイドブック」等も参考に、保護者や一般へ取組みを周知してはどうか。
教育部長A ユニバーサルデザイン化は教員対象の研修会を通して、市内全小中学校に広まるよう取り組んでいる。また毎年の学校訪問で、教育委員会の指導主事が具体的に指導を行っている。保護者等一般への周知は、ホームページやフェイスブック等を通じた広報に努めて参りたい。

こんのQ 周知をする際、第3次戸田市教育振興計画での取組みやさいたま市の「ユニバーサルデザインの考えを取り入れた授業づくりガイドブック」等も参考に周知をしていただきたい。
教育部長A 今でも周知に努めているが、引き続き周知していきたい。

こんのQ 学校で行われているユニバーサルデザインを学校外で子どもがいる環境にも広げていきたい。このために教育委員会としても取組みをできないか。
教育部長A 授業のユニバーサルデザイン化については主に一斉授業で取り入れることを想定しているが、応用できる部分もあると考える。学校外の取組みについても教育委員会等が研修会等を行うことは困難だが、取組み内容を情報提供することは可能であり、関係課等の求めに応じて対応して参る。

こんのQ 教育委員会としては関係課等の求めに応じて対応するとのことだが、例えば学童保育室等放課後子ども事業を所管する子ども青少年部としての対応は。
子ども青少年部長A 学童保育、放課後子ども教室、青少年の居場所等、様々な放課後事業があり、教育委員会や学校が進めるユニバーサルデザイン化に沿い、対応の充実が図れるよう取り組んで参る。

(3)家庭と学校との連携について
こんのQ 家庭と学校との連携は信頼の基礎。どのように行っているのか。
教育部長A 就学前の5歳児から中学校3年生まで切れ目のない相談体制を整えている。特に就学前相談では、平成27年度から早期就学説明会や個別相談会を教育センターで行っている。小学校では、月1回の教育相談日が設定されている他、いつでも相談を受ける体制を整えている。中学校では、相談室を中心に相談体制を整えている。更に今年度から全小学校に小学校スクールカウンセラーを配置した。特別支援学級・通級指導教室在籍児については、個別の支援計画等を作成し充実を図っている。

こんのQ 家庭と学校との連携において、①サポート手帳の活用と②教育相談の充実を取り上げたい。まず、①サポート手帳の配布件数は。知らない保護者もいるようなので、窓口周知等を更に行ってほしい。
福祉部長A 平成21年度から現在までに218冊。必要性を見極めお渡ししているが、更に周知に努めていきたい。

こんのQ ②教育相談は教育センターが対応しているとのことだが、入学予定時児について小学校入学前に各学校で教育相談を受けることはできないか。
教育部長A 就学前相談については、5歳までは福祉保健センターで、6歳からは教育センターで受け付けている。学校での教育相談は基本的には入学後だが、入学前に伝えたいことがある場合は入学前に学校に相談してほしい。

こんのQ 教育相談を含め、保護者が相談をする場合、発達障害は知的に遅れがあるわけないため、子どもが内容を理解してしまうことがある。そのような場合に、子どもを預かることはできないか。
子ども青少年部長A 未就学児であれば保育所の一時保育、就学児であれば学童保育室の一時保育について相談を頂きたい。

(4)発達障害等への理解について
こんのQ 発達障害への理解は人それぞれであり、これから地域で子どもを見守るためにも理解を広げる取組みをできないか。
教育部長A 毎年、全小中学校において、大学講師等の巡回相談で、教職員の指導・助言を実施している。また、夏季休業中に市内小中学校の教員だけでなく、保育園、幼稚園等にも参加いただき、特別支援教育についての研修会を実施している。更に、学習発表会に地域の方に参観いただいている。

こんのQ 今後地域などで子どもを見守る流れの中で、理解は人それぞれだ。発達障害等への理解を広める場を設けてはどうか。
福祉部長A 「まちづくり出前講座」において障がいへの理解に関する講座を設けている。最近は発達障害についての要望も多く、お話をしている。市としても「まちづくり出前講座」を通して理解を広めて参りたい。

こんのQ 行政の外にある地域の習い事などへも理解を広げ、子どもの居場所を増やしていきたい。受講したことを示す受講証などがあれば、その団体は発達障害等への理解があることを示し、子どもの居場所が増えると思うが、いかがか。
福祉部長A 修了証を発行することについては、生涯学習課とも連携し、今後の研究課題としたい。

(5)人材について。
こんのQ 人員体制はどうなっているか。
教育部長A 埼玉県市町村小・中学校学級編成基準により、小中学校とも特別支援学級1学級あたり8人と定められている。本市では更に特別支援学級補助員を独自予算で配置し、小中学校合わせて14人を配置している。

こんのQ ボランティア団体等、外部団体で協力したいという声もあるという。このような外部団体の力を借りる考えはあるか。
教育部長A 現在、学校応援団等外部団体に支援を頂いているが、学校側と外部団体側とのマッチングが重要。特に特別な支援を要する児童生徒への指導については、専門的知識等の問題もあるため、その点を理解したうえで具体的なお話があれば、学校としても教育委員会としても対応を検討したい。

―――
特別支援教育については、やはり教育委員会を相手に指摘・提案するのがとても難しいテーマでした。現状に対し目に見える改善や進展があるようなものは少なかったですが、現状の取り組みを制度として開かれた場で発言していただいただけでも一定の前進となれば幸いです。何より、発達障害等のあるお子さんを育てるお母さん方の意見や思いが少しでも届けば嬉しいです。ユニバーサルデザイン教育については、非常に関心のあるテーマなので、引き続き進めていきたいと思っています。

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