[平成30年3月議会]一般質問②-公共調達について


昨年10月上尾市で市長、議長等が事業者から現金を受け取った等として、贈収賄罪等で逮捕されました。同年12月議会において、私はこの問題を議会で取り上げ、同事業者が戸田市においても20年以上介護老人保健施設等の総合管理業務を随意契約(落札率ほぼ100%)で受注していたことが判明し、市内外から大きな反響がありました。
同議会のやりとりにおいて、このような契約方法は介護老人保健施設等に限った方法ではなく、他の公共施設についても同様であることが判明しました。
確かに、今の判断基準で過去の状況を評価するのは難しい面もありますが、法律や条例等に依拠して今後に活かすことはできるのではないかと考え、公共調達の現状と今後の適正化について今回取り上げました。
(1)現状について。
こんの 公共調達の現状はどのように行っているか。
財務部長 地方自治法において「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」「せり売り」の4類型があり、一般競争入札が原則であり、それ以外は例外的な場合に限られている。建設工事については、原則として一般競争入札を適用し、例外的に①130万円を超えない契約及び②一般競争入札が不調に終わった場合は、一般競争入札ではなく指名競争入札を行っている。例外①②に当たらない場合に指名競争入札を行うことはない。業務委託等その他の契約についても、一般競争入札の適用を順次拡大している。業務委託の他、設計・調査・測量業務、集積桝清掃業務、樹木管理業務を一般競争入札へ移行している。
こんの 建設工事については、原則・例外がしっかりと運用されていると感じるが、業務委託等その他の契約については、原則・例外の運用が甘いように感じる。特に、業務委託の中でも金額の比較的大きい建物等総合管理業務は、例えば市庁舎は年間約5000万円、介護老人保健施設は年間約4400万円等、「戸田市随意契約ガイドライン」で認められている業務委託の上限額50万円からしても高額であり、これらが長年見積もり競争による随意契約で行われてきた経緯がある。このような契約を行ってきたものにはどのようなものがあるか。
財務部長 市庁舎、市民医療センター・介護老人保健施設、福祉保健センター、図書館・郷土博物館、新曽福祉センター、東部福祉センター、西部福祉センタ-、彩湖自然学習センター、教育センターがある。これらは平成30年度にかけて一般競争入札への移行が完了する。
こんの 文書管理規定上5年分しか資料がないため、私が決算書等を約30年分調べた。これらの大きな流れをまとめると、
①建設当初から見積もり競争による随意契約で数十年間契約をしており、その根拠は「緊急の必要」を根拠としている。中には数十年一社のみの随意契約もあった。
②予定価格を一社のみから聞いて設定することもあった。
③そのため、落札率が100%になる等総じて高く、平成27年度平均では99.24%。
④平成28年頃から一般競争入札へ移行。
⑤一般競争入札へ移行する際は、1年間ではなく3年間の契約へ変更。
ということでよろしいか。
財務部長 その通りである。
こんの これらを総じて私の所感を述べる。
◯建設工事に比較し、業務委託は一般競争入札適用の原則・例外が緩い。
○「緊急の必要」は本来災害や事故の場合を指す。「緊急の必要」として数十年にわたり随意契約を行うことは、他市のガイドラインによれば濫用事例として注意喚起されているやり方である。
○戸田市の「随意契約ガイドライン」では、本来随意契約ができる業務委託は50万円であり、市庁舎の年間約5000万円を始め、高額である。
等、改善が必要な状況だったと言える。しかし、すでに一般競争入札への以降は始まっており、今後は改善されると期待する。
今後の随意契約の適正化に向け、現状において、随意契約を行っているものは何か。それらを公開できないか。
財務部長 随意契約ができる要件は、①少額の契約、②性質等が競争入札に適さない契約、③緊急の必要により入札に付すことができない契約、④入札が不調となった契約等が規定されている。随意契約の契約内容の公開は、契約事務が各予算課において執行され、その数も相当数であるため、公開に係る膨大な業務量を勘案すると困難と考える。
こんの 原則は一般競争入札であくまで随意契約は例外。随意契約は、少額、性質、緊急、入札不調等要件が定められている。その中でも、例えば、金額の大きいものだけ、性質要件・緊急要件だけと区切って公開できないか。
財務部長 可能ではあるが、事業作業の負担もあり、今後精査し検討する。
(2)適正化に向けた取り組みについて。
こんの 公共調達の適正化に向け、どのような取り組みを行っているか。
財務部長 一般競争入札への適用拡大を始め、予定価格の事前公表、年度当初契約における随意契約から競争入札への移行等、入札制度の適正化に取り組むとともに、入札制度の要領等の公開を進め、公平性公正性透明性の向上を図っている。また、市職員に対する研修会を継続的に実施する予定。
こんの 予定価格の設定方法は。一社のみにする場合は。参考見積もりを一社からのみ取る方法について、2017年に県内で道路工事発注において、市職員と業者が予定価格を事前に調整し落札させたとして公契約関係競売入札妨害の疑いで、市職員と業者が逮捕されている。入札では本来、複数社からの見積もりを参考に予定価格を決めるが、市側は特定の業者一社からの見積金額を予定価格としており、一方、業者側は見積もりを出した会社が落札するというルールで談合をしていたという。複数社見積もりを徹底するべきでは。
財務部長 引き続き複数社見積もりを原則としていく。
こんの 業者との交渉状況はどのように把握しているか。県内で、公共調達について、上尾市贈収賄事件、蓮田市入札妨害事件、北本市百条委員会等を参考にすると、①業者と単独では会わない、②市役所以外で会わない、③議事を残す、④飲食を伴わない、⑤議事等を公開する等のルールが必要ではないか。
財務部長 過去事例はないが、情報共有し、有効性等を調査研究していく。
こんの 最後に市長に伺う。
①長年随意契約を行ってきた業者、A社も含め、面識があるか。
②業者及びその関係者からご自身の後援等も含め、何らかの資金提供を受けたことがあるか。
③戸田市に対する働きかけや不正が疑われる事情はあったか。
④長年随意契約が行われて来たものを、任期終盤で改善した理由は。
⑤その他入札に関してどのように取り組んでこられたか、ご所感を伺う。
市長
全くない。公共調達はベストという言い方は非常に難しく、現在のやり方はベターなやり方と信じている。戸田市では不適切な行為はないと確信している。
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要するに、戸田市では過去長年にわたり、公共施設の管理業務(清掃等)を見積もりによる随意契約で行っており、その中には現行業者1社のみから見積もりをとり、それをほぼそのまま予定価格としているため落札率100%近い値で落札しているケースが見受けられたということです。その中に上尾市で贈収賄罪で逮捕された事業者も含まれています。
確かに4月からの業務執行のために3月議会議決を待つことはできないという「緊急の必要」も考えられます。
しかし、「緊急の必要」要件の趣旨は予測ができない事態を賄う点であり、管理業務は毎年同様の内容で生じるものですから、年内10月等に契約時期を変えれば済むことです。また、市が自ら設定した「随意契約ガイドライン」では業務委託の上限額を50万円と定めていても、他方で年間数千万円/件の随意契約を認めてしまうと、ガイドラインも意味が失われます。また、1社見積もりのやり方は県内で逮捕者も出ており、複数社見積もりを原則・徹底すべきと考えます。
と、つらつら述べましたが、冒頭申し上げた通り、公共調達には自治体独自、時代特有の流れ等もあるなかで、地方自治法の制限の中でこれがベターなやり方だったのかもしれません。
前回の質問を経て、「随意契約ガイドライン」が公開されたり、「指名競争業者参加者等選定基準」等も策定・公開されたりと少しずつ公共調達の適正化の動きも見られます。これにあたっては、担当課の職員の皆さんに大きなお力添えを頂きました。
市議会議員として、市の公共調達、契約が適正公正になされているか、これからもしっかりと目を光らせてまいりたいと思います。