1 手話の普及・啓発を
1では、手話について取り上げます。さきの6月定例会では議場に手話通訳者が試行的に配置されました。しかし、今回の9月定例会では、手話通訳者は配置されません。本日は、議場にたくさんの聴覚障がい者の皆さん、またインターネット中継でご覧になっている方もいらっしゃるため、1については、私自身が手話を使って一般質問を行いたいと思います。
(1)埼玉県手話言語条例の更なる推進を
埼玉県では、平成28年に手話言語条例が施行され、手話講習会の開催などに取り組まれています。昨今のコロナ禍においては、全国的に知事会見に手話通訳者が配置されるなど、聴覚障がい者の情報保障が改めて重要視されています。
こうした状況において、手話の更なる普及・推進が重要だと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
また、より具体的に取組を進めていくために、進捗管理や効果測定のための工程表を策定・公開できないか、福祉部長にお伺いします。
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<知事>
「手話の普及・啓発について」の手話を伴ってのお尋ねのうち、「埼玉県手話言語条例の更なる推進を」についてでございます。
手話言語条例で定められているとおり、手話は独自の体系を持つ一つの言語であり、ろう者の方とのコミュニケーションのため、私は手話を広く県内に普及していくことが必要であると考えております。
手話の普及に当たりましては、条例に基づき設置した「埼玉県手話環境整備施策推進懇話会」において、委員である聴覚障害者団体関係者や手話通訳関係者、学識経験者などの御意見を伺いながら取組を進めております。
具体的には、様々な広報媒体による普及啓発のほか、県職員や公共的な仕事に従事する職員向けの手話講習会の開催、手話通訳者の養成と派遣などに取り組んでまいりました。
また、手話の普及を進める上では、市町村との連携・協力が欠かせません。
このため、市町村との共催により、県内各地を巡る手話普及リレーキャンペーンや初心者向けの手話講座などを実施しており、これまでに5,000人を超える方々に御参加いただいております。
こうした取組などを通じて、市町村レベルでも手話の普及に向けた機運が高まっており、県内33の市町村が手話に関する条例を制定しています。
新たに、大学の手話サークルに参加している学生や地域で活動する手話グループの方々なども巻き込みながら、手話の一層の普及に取り組んでまいります。
私は誰一人取り残すことなく、ろう者の方々と心を通わせ、お互いを尊重し合える共生社会を目指していきたいと考えております。
今後も手話の更なる普及・推進に全力で取り組んでまいります。
<福祉部長>
「埼玉県手話言語条例の更なる推進を」のうち工程表の策定・公開についてでございます。
条例では、県障害者支援計画において手話に関する県の施策を定め、総合的・計画的に推進することとしています。
現行計画では、工程表という形ではありませんが、3年間の計画期間内に実施すべき11施策を位置づけ、取組を進めています。
これらの施策については、外部委員で構成する県障害者施策推進協議会において、毎年度、進捗や実績などを報告し、御意見を伺っております。
いただいた御意見は県ホームページで公開していますが、今後は県民の方々によりわかりやすい形に工夫してまいります。
引き続き事業の進捗や実績について客観的な評価を行いながら、手話に関する施策を進めてまいります。