(4)笹目川の治水対策を
令和元年10月に台風19号が関東を襲い、多くの被害をもたらしました。戸田市では、笹目川の水が取入水門を超えて、県営戸田公園のボート競技場に流れ込み、広範囲において住宅等が水に浸かる甚大な被害が生じました。取入水門は地盤沈下等によって笹目川護岸より低くなっていたにもかかわらず、数十年にわたりこのままの状態で、簡単に水が流れ込む状態であったため、私は令和2年9月定例会において、取入水門を早急に整備すべきだと訴えました。これに対し、県土整備部長より「取入水門を改修する方向で協議調整をする」旨のご答弁を頂きました。この後、令和3年度から、新たに水門を建設する方向で現在進行中とのことです。
治水対策が一歩前進したことは喜ばしいことですが、県はいまだ情報提供しておらず、地元では情報を待っている状況です。
そこで、ア.どのように整備するのか、整備概要や運用方針について、イ.水門整備にあたり、地元へしっかりと説明して頂きたいと思いますが、戸田市や地元町会・住民への地元説明会等情報提供の見通しについて、ウ.後の笹目川全体の治水対策をどのように進めていくのか、その中で笹目川排水機場の排水能力を高めるべきではないかと考えますが、それぞれについて、県土整備部長にお伺いいたします。
県土整備部長:金野桃子議員の御質問10「地元問題について」の(4)「笹目川の治水対策を」についてお答え申し上げます。
議員お話しの取入水門は、戸田公園のボート競技場の水位調節を目的として、昭和38年に設置されました。
この水門は、設置以降、地盤沈下により低くなっており、令和元年東日本台風の際には、水門の上部からボート競技場内へ洪水が流入しました。そのため、令和3年度に水門の改修に向けた調査・設計に着手いたしました。
御質問の「整備概要」については、これまで検討を進めてきた結果、現在の取入水門と笹目川との間に新たな水門を設置することといたしました。
「運用方針」については、笹目川が洪水の際に水門のゲートを閉鎖する方向で検討を進めております。今後、詳細について、関係者と調整してまいります。
次に、「地元説明会等情報提供を」についてです。
事業の実施に当たっては、地元の皆様の御理解・御協力が必要なことから、水門の設計や関係機関との協議の進捗状況を踏まえ、地元説明会等情報提供の時期や方法について、地元戸田市と調整してまいります。
最後に、「笹目川排水機場の排水能力向上を」についてです。
本県では、令和元年東日本台風による水(みず)災害(さいがい)を受け、県管理河川全ての河川整備計画を点検し、有識者から構成される河川整備計画策定専門会議に諮り意見を伺っております。
その結果、笹目川は計画で想定する降雨規模を見直した上で、河川整備計画を変更すべきとの意見をいただいています。
これを受け、笹目川全体の治水対策については、笹目川排水機場の排水能力を高めることも含めて、河川整備計画の変更に向けた検討をしているところです。
引き続き、関係機関との協議を進め、笹目川流域の更なる治水安全度の向上に努めてまいります。