[平成27年9月議会]一般質問ー広告事業による歳入確保について
3つ目は、広告事業について。最近、財政状況を理由として、様々な市民サービスの縮小・削減が続いています。戸田市のような不交付団体にとっては税収入が大きいですが、それ以外の歳入確保として広告事業について、専任担当を置き、他自治体の例も調べてできるものから積極的に行ってみてはどうかという提案です。特に、ネーミングライツ(命名権)、公共施設における屋外広告物条例、tocoバス等税金による補てんが大きい事業についての取組み強化を提案しました。
3.広告事業による歳入確保について
(1)市の方針について。
(2)現状について。
(3)今後について。
答弁:
(1)市の方針について。
行財政改革の視点から税収以外の自主財源の確保策として有効な取組みであり、今後も可能なものから推進して参る。
(2)現状について。
有料広告掲載、公用封筒やホームページバナー、パンフレット等各所管課で可能なものから順次取り組んでいる。歳入確保額はすべてを把握しておらず、広報等で年間120万円の他、封筒の現物支給等で歳出抑制効果もある。
(3)今後について。
ネーミングライツについては要綱整備を進めており、整備後は各所管課で実施可能。ただ、比較的規模の大きな自治体での実績が多く、戸田市での実施については歳入確保額と、費用のバランス等を考慮して進めて参る。公共施設等における屋外広告物については現在市の条例で禁止されており、公共建築物の特性等も考慮し、関係部局と調整の上検討して参る。
再質問以下:
(1)市の方針について。(2)現状について。
Q 担当課を設けて、他自治体の例も調べて、現在市で行っているものを整理し、戸田市でもできるものを取り入れてみてはどうか。
A 今後も全庁的に取り組んでいきたいが、選任担当を置くのは現状では難しく、各所管課の取組みを財務部がバックアップする形にしたい。
(3)今後について。
Q ネーミングライツの要綱は、どのくらいできており、いつできるのか。
A 積極的に進めていきたいという考えで、資産管理課(公共施設について全体的に管理する課)において検討している。関係部署の意見も聞きながら慎重に進めていきたい。今年度末には原案をまとめていきたいと思っている。
Q 具体的にはどのようなものにネーミングライツを検討するのか。
A 比較的大きな自治体で大きな施設の例が多い。戸田市の中で相応しいものを考え、財務部としてはまずは公共建築物について整理したい。
Q 現在、戸田市では屋外広告物条例上で公共施設の屋外広告物は禁止されているが、市の考えは。
A 戸田市では「官公署、学校、図書館等の建築物並びにその敷地」では一般広告物は出せない。さらに本市は景観づくり推進地区も指定されており各地区で基準がある。このような状況から公共施設に屋外広告物を掲出することは禁止されているが、今後は広告事業による新たな財源確保にあたって事業の有効性を検討することと並行し、条例目的を遵守し、公共施設へ屋外広告物の掲出が可能な方法について、埼玉県や関係自治体、庁内関係部局と調整の上、検討していきたい。
Q 「今後、埼玉県や関係自治体等と調整の上、検討したい」という改正の可能性を秘めた前向きな答弁だが、詳細は。
A 埼玉県では規制を緩和し歳入確保につなげる動きはあり、例えば公用車の広告掲載等についても緩和してきた。今後、関係部局と調整し、戸田市の条例についても改正する必要があるかもしれないが、検討していきたい。
Q 税金による赤字補てんが大きいtocoバス事業について広告事業(車体広告、ステッカー、バス停留所、バス停ネーミングライツ等)の強化を。
A 利用料金による収入は約2000万円であり、事業者には2社に約1億円補助金を出している。tocoバスでは広告(2社)と回数券(1社)を行っている。広告収入が増えればその分補助金は少なくて済む。実際には可能な広告もあるかもしれないが、他市の状況を聞いても企業からの応募は少ない。確かにtocoバス事業は市の持ち出しも多いので、広告収入が得られる方策があれば積極的に検討はしたいが、歳入確保としてコミュニティバスの広告が有効か等を考慮して慎重な検討が必要。
〈こんのコメント〉
今回一番のメインの質問はこの広告事業でした。戸田市は財政がひっ迫している状況ではないこともあるのか、他自治体に比べて広告事業の取組みが薄いように感じており、今回提案しました。確かに戸田市でも既に取り入れているものはありますが、各課バラバラであったり、総額をそもそも把握していなかったりともう少し全庁的に取組みを強化できないかと思います。ただ、今年度末までにはネーミングライツの要綱が整備されること、戸田市屋外広告物条例の改正の可能性もあること等は一定の成果のある答弁を得られたのではないかと思います。tocoバスの広告収入については撃沈という感じで議場でも苦笑いでしたが、毎年約1億円の補助金という現状を考えれば、利用者を増やすとともに広告収入をあげていきたいところです。