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〈連載〉4年間を振り返ってー議会の本質は多様性

〈連載〉4年間を振り返ってー議会の本質は多様性

大学で法律を、中央省庁で行政を、国会で政治を学び、今自分自身が地元で市議会議員として働く中で、私は日々「地方議会の意義は何か」「地方議員の役割は何か」を考えています。
4年間、市議会議員として働く中で感触をつかんだ答えは「地方議会の本質は多様性にある」ということです。
立憲主義の日本においては、国民の代表がビジョンやルールを決め(立法)、行政がそれを執行し(行政)、裁判所がビジョン・ルールやそのやり方が憲法に違反しないかチェックする(司法)ことにより、国民の自由と権利は守られています(三権分立)。
しかし、現代社会においては行政の持つ力がとても大きく、「行政≒国家」ともいえるほどになっています(行政国家現象)。
このように大きな権限を持つ行政に対して、本来の国民・市民の代表である議会の力を取り戻そうというのが、立法府の復権あるいは政治主導だと考えています。

ここで注意すべきは、主権者の代表機関たる立法府は国においては国会が、地方においては地方議会がその役割を担っていますが、国と地方では大きな違いがあることです。
国の行政のトップである内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれるの対し、地方の行政のトップである首長(知事・市長)は住民による直接選挙で選ばれます。
つまり、地方議会においては首長と議会がともに直接選挙で選ばれるという点に地方政治の独自性があります(二元代表制)。

国会議員のもとで働いていた頃は国会こそが国民の代表という意識があり、市議会議員として働きだした頃もつい同じように市議会こそが市民の代表だという意識になっていました。
けれども、とある市民の方のコメントで、「市長も市民の付託を受けた代表者である」ということに改めて気づかされたのです。
その方はおそらく、市長にも私にも投票されたのでしょう。
つまり、その方の思いを付託されたのは市長であり、同時に私であるわけです。
このコメントは、私にとって「二元代表制のもと市長と議会は何をすべきか」を深く考えるきっかけになりました。

二元代表制のもと、市長が一人であるのに対し、なぜ議会は複数人が選ばれているのか。
私が思うのは、一翼である市長が直接選挙により多数決で選ばれ、その権限が大きいからこそ、他方の一翼である議会には、複数いる議員がそれぞれの視点で市長の市政運営に意見を反映させることが求められているのではないかということです。
議会に議員が複数人いることで、それぞれがそれぞれの視点で、市長の気付かぬ視点、独自の目線で市政運営をチェックし時にリードすることが求められているのだと私は考えています。
これこそが議会の本質であり、その本質は多様性にあると考えています。

このような考えのもと、私は基本的に他の議員について批判はしません。
なぜなら、私自身はその議員の考え方に賛成はしないけれど、そのような考え方もあることを尊重しているからです。
これは同様に市民相談でも同じです。
広く一般からご意見を聞いていると、必ずしも自分と考えの違う人はよくあり、「なぜ〇〇と考えられないのか」と批判されることもままあります。
政治はそもそも意見の分かれることを議論して決めていく場ですから、争いがあって当然です。
意見が分かれる事柄だからこそ、丁寧に議論し、決着をつけ、世の中を少しずつ前へ前へと進めていくのでしょう。

任期満了・改選まで3カ月を切り、議会の多様性のひとつとして、果たして自分の存在意義がどこにあるか、それを果たせたかを振り返っています。
そして、一つの議席を賜った身として皆さんの思いに少しでも応えられたか、しっかりと問うていきたいと思っています。

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