[平成29年6月議会]一般質問①-高次脳機能障害について


「高次脳機能障害」という障害をご存知でしょうか?
これは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害等が含まれるとのことです。
外からわかりづらいこともあり、「隠れた障害」「制度の狭間にある障害」とも言われています。
4年前、私がおそらく初めて戸田市議会で高次脳機能障害を取り上げた際、市内では「2人」ということでした。各種推計や他自治体の例からすれば、人口約13万人の自治体で高次脳機能障害が2人というのは少ないので、適切な現状把握と理解を求めました。
それから4年が経ち、2018年度には福祉系の重要な計画が策定されることもあり、今回改めて一般質問に取り上げました。

Qこんの 現状と支援策は。
A福祉部長 精神障害者保健福祉手帳所持者8名他、実人数で合計19人だが、正確な人数は把握できていない。支援策としては、医療費助成制度、障害福祉サービスとしてヘルパー利用や就労系サービスの利用が可能。今後、さらに市民への周知、啓発は重要であり、現状と課題を踏まえて丁寧な対応に努めてまいる。

Qこんの 高次脳機能障害は①現状把握→②相談窓口を明確化→③職員・支援担当者・市民の周知啓発→④支援体制づくりが大切だと考えている。①現状の把握として、今後の計画策定において実態調査を行うことはできないか。
A福祉部長 計画策定に伴いアンケートを行う際、質問項目に入れる方向で調整したい。

Qこんの ②相談窓口の明確化として、市ホームページ上に高次脳機能障害について記載できないか。その際は、複数の窓口を設けることが大切であり、障害分野として相談支援事業所、障害福祉課、介護分野として地域包括支援センター、長寿介護課、保健分野として福祉保健センター等を窓口とできないか。
A福祉部長 上記と合わせて、埼玉県総合リハビリテーションセンター、川口保健所等も合わせてどのように記載するか検討していきたい。

Qこんの ③職員・支援担当者・市民の周知啓発として、障害分野では自立支援協議会での研修、介護分野では認知症ケアサポーター、認知症ケアパス、ケアマネの研修などを進めていただきたい。
A福祉部長 過去研修等を行った実績もある。今後実例等を含めて検討していきたい。

Qこんの ④支援体制づくりとして、2018年度に向けて策定中の各福祉計画に沿って提案したい。まず、障害福祉計画・障害児福祉計画について、人数の見込み等を出して検討を。地域生活支援事業(意思疎通支援事業)に位置付けを。
A福祉部長 同計画は障害のサービスの見込みを策定するもので個別の疾病を記載するものではない。地域生活支援事業についてはすでに行っているものもあり、継続して行ってまいる。

Qこんの 次に、障害児福祉計画について、高次脳機能障害は大人だけではなく、子どももなる可能性がある。特に発達障害との区別が難しいという。教育委員会としっかり連携をしていただきたい。
A福祉部長 庁内ヒアリング等も行い、連携してまいる。

Qこんの 次に、高齢者福祉計画・介護保険事業計画について、若年性認知症や脳卒中の後遺症で高次脳機能障害になった40歳以上への支援策では早期発見早期診断が大切である。今後、認知症初期支援チームが立ち上がった際には、この中に若年性認知症や脳卒中による高次脳機能障害の人も判断できるようにできないか。
A福祉部長 平成30年度に向け認知症初期集中支援チームを設置予定。その際、チーム員となるための研修の項目に入っているため、しっかりとらえていきたい。

Qこんの 最後に、今後「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」が進められていく。難しい課題だと思うが、第7次地域医療計画、保健所等も連携し、今後どのように進めていくのか。
A福祉部長 精神疾患については特に長期入院等が問題であり、今後は地域への移行が必要となる。次期計画等も見ながら検討していきたい。
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高次脳機能障害は、前職で取り組んでいたこともあり、制度上にあるのに国・県・市、障害と介護の狭間にあると感じています。現に市内で高次脳機能障害と診断された方を何名か存じ上げていますが、適切に支援につながっているとは言いづらい状況です。ただ、4年前の一般質問では市内での把握者は2名であったの対し、現在は19名(長寿介護課分野も踏まえれば実際はそれ以上)となり、また2018年度策定される各種計画に位置付けられるよう検討されるなど、ジワリと動いた感じもありました。
障害者政策、特に精神疾患については、今後地域包括ケアシステムの構築が必要といわれています。地域包括ケアシステムというと、今ではまずは高齢者が頭に思い浮かびますが、今後は障害のある方、子どもたちも地域で見守る仕組みとなり、結局は”地域”の話になると思います。そして、そのようなまちづくりをリードするのは行政です。大変難しいテーマでありますが、しっかりと取り組んでいきたいと思います。